不妊症の原因は40％超が女性側、40％弱が男性側、20％が原因不明とされています。女性側の原因として排卵障害、卵管通過不良、着床障害、また子宮内膜症等があります。男性側としては精子の数が少なかったり、運動率が悪かったり、性交不能などがあります。最近は環境ホルモンの影響か、男性が原因の不妊症が増加しているという報告もあります。

当クリニックで行っている不妊症の検査は基礎体温の測定、ホルモン検査（脳下垂体ホルモン、卵巣ホルモンなど）、超音波検査では子宮卵巣の状態（子宮筋腫、子宮内膜症、子宮内膜ポリープ、卵巣腫瘍などがあるかどうか）、卵子の入っている卵胞や受精卵のベッドになる子宮内膜の発育は順調か、子宮頸管粘液検査、子宮卵管造影（卵管は通っているか、子宮内腔の状態は良いか）、また精液検査などがあります。ほとんどの検査は保険扱いです。

当クリニックでの不妊症治療は、体外受精や顕微授精などの高度生殖医療は行っておりませんが、排卵障害のある人に排卵誘発剤や漢方療法、卵管通過不良のある人に通水療法、また排卵にあわせて夫婦生活を持つタイミング法や人工授精などを行っています。一般に不妊治療で妊娠した人の75％ぐらいはタイミング法で妊娠していますので、一刻も早く赤ちゃんがほしいという方もあせらずに、相談におこしください。

しかし、不妊治療はしばしば患者さんに精神的ストレスをかけて、不妊治療をやめたら妊娠した人も多くいらっしゃいます。また仕事の都合上、土曜日しか受診できない人もいます。当クリニックでは一人一人の患者さんに合った不妊治療を心掛けています。もちろん検査の結果、体外受精や腹腔鏡手術が必要であれば、患者さんと相談し、希望の病院やクリニックに紹介しております。
最近は女性の社会進出と晩婚化のため妊娠を望む女性の年齢が高くなっていますが、残念なことに医学的には年齢が若いほど妊娠率は高いとされています。でも一人で思い悩まずに、まず相談に来てください。不妊治療は年々進歩しています。